西洋哲学
『第二の性』の難易度と感想:ボーヴォワールが実存主義で問うた女性
『第二の性』はどんな人向け?
実存主義が社会の具体的な問題にどう切り込むかを見たい人向けです。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」で知られる、実存主義的フェミニズムの原点です。
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この本の位置づけ
『夜と霧』に続く「実存の周辺」の二冊目は、実存主義の社会への応用です。サルトルの伴侶にして哲学者ボーヴォワールが、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という一文で、女性という存在が歴史と社会の中で作られることを論証しました。最後は『善の研究』で、視点を日本へ移します。
読んでよかった点
- 『存在と無』で学んだ超越と内在の枠組みが、生きられた現実の分析として動き出すのが痛快
- 神話・歴史・生理学・文学を総動員する構成で、一つの問いを多角的に攻める迫力がある
- 現代のジェンダー論の議論の多くが、すでにここで先取りされていることに驚かされる
気になる点
- 二分冊の大著で、生物学や精神分析への批判など前半は忍耐を要する
- 1949年の著作ゆえ、データや事例には時代的な古さがある
実存主義の社会的展開を確認したら、締めくくりは日本の『善の研究』です。
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よくある質問
- サルトルの哲学を知らないと読めませんか?
- 読めますが、「対自」「即自」「超越」といった『存在と無』の枠組みが議論の土台なので、サルトルを経由してからのほうが論理が追いやすくなります。
- フェミニズムの本であって実存主義の本ではないのでは?
- 両方です。女性が「他者」として作られる過程を実存主義の自由の概念で分析しており、実存主義の最も影響力ある応用例といえます。
この書評は読書マップ
『【本格派向け】実存主義を深める10冊と読む順番』
の一部です。分野全体の読む順番はマップをご覧ください。
公開日: 2026/7/5