音楽史

『音楽の聴き方』の難易度と感想:聴くという行為を問い直す

書名
『音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉』
著者
岡田暁生
出版社
中央公論新社(中公新書)
難易度 3/5(分野の基礎を一巡した人向け) ★★★★☆ 4/5

『音楽の聴き方』はどんな人向け?

音楽史の流れを押さえたうえで、「自分はどう聴いているのか」「音楽をどう言葉にするか」を考えたい人向けです。吉田秀和賞を受賞した音楽論で、聴き方の型を意識化できます。

この本の位置づけ

『西洋音楽史』の著者による続編的な音楽論です。「音楽は言葉にできない」という常套句を疑い、聴く型・語る言葉を持つことが音楽体験を豊かにすると論じます。通史で得た知識を「自分の聴き方」へ接続する一冊です。

読んでよかった点

  • 「わかって聴く」ことへの後ろめたさが解消され、聴くことに積極的になれる
  • 西洋クラシックの聴き方が歴史的に作られた「型」だと自覚できる
  • 音楽について話す・書くための具体的な語彙が増える

気になる点

  • 議論は抽象度が上がるため、通史を読んでからでないと空中戦に感じやすい
  • 実例として挙がる曲を知らないと、実感が湧きにくい箇所がある

三冊目として読むことで、知識が「聴く体験」に変わります。ここまで来たら、最後はテーマ読みの『オペラの運命』へ。

よくある質問

『西洋音楽史』を読んでいなくても読めますか?
読めますが、歴史の文脈を前提にした議論が多いため、通史を先に読むほうが得るものが大きいです。
実践的な鑑賞ガイドですか?
名曲解説ではなく、聴くという行為そのものを扱う音楽論です。聴き方が変わる本と考えてください。

次に読む本

公開日: 2026/7/5